スキャルピングの特徴
スキャルピングは短時間に売買を繰り返すトレード方法です。
相場にエントリーしてからエグジットまで10秒から数分以内に完結する取引で、多くのロット数を用いて利益を出す事を目指します。
FXでは外貨保有による利息であるスワップポイントを狙う取引でも可能ですが、ポジション保有の期間が短いスキャルピングではスワップポイントの獲得は期待できません。
スキャルピングはFXで多額の利益を稼ぐ専業トレーダーが得意とするトレード手法ですが想定外の損失も被りやすいため、事前の準備をしっかり整える必要があります。
スキャルピングにおけるリスクの考え方
スキャルピングは、少ない相場の値動きで多額の利益を狙う取引です。そのため、取引ロット数を多めに設定します。その一方で、ポジションの保有期間をごく短時間に限定しています。
突発的な出来事による相場の急変がFXでは稀に発生しますが、ポジションの保有期間を短くする事で、相場の急変に出会う危険性を減らしています。
多くのロット数を持つ事によるリスクの増大を、ポジション保有期間の短縮によってリスクヘッジしている点がスキャルピングの特徴です。
スキャルピングのトレード方法
スキャルピングは数分以内に完結するやり方なので、相場へのエントリーからエグジットまでの取引は相場に張り付いた状態で行います。相場のトレンドを確認して任意のタイミングで成行注文で発注と決済を行うのが基本です。ただ、相場の急変に備えるために発注時点で逆指値やトレール注文を入れておくやり方も有効です。
スキャルピングで重要なのはスプレッドです。
スプレッドは売値と買値の差額でFX会社に支払う手数料に相当するものですが、少ない値動きで利益獲得を目指すスキャルピングではスプレッドが狭い通貨ペアを選択しなければなりません。そこで、スキャルピングをする際は、ドル円やユーロドルが基本となります。スプレッドが広くなるクロス円取引はスキャルピングには向いていません。
なお、日本国内のFX会社では、スキャルピングを禁止している業者もありますが、海外FXであればスキャルピングは問題とされないため、スキャルピング中心で稼ぎたいなら海外FXを利用すると良いでしょう。
スキャルピングにおける注意点
多くのロット数で取引するスキャルピングは、想定外の事態に直面した時に多額の損失を被るリスクがあります。アメリカ雇用統計の発表時のような大きな値動きがあるタイミングの取引については、避ける必要があります。
また、スキャルピングは金融取引というより、ゲームに近い感覚でできるトレード方法なので、感情的な取引をしないように気をつけなければなりません。
複数のトレードに失敗して損失が膨らんだ時、無理してその損失を取り返そうとして熱くなると、大きな損失を出す危険性があります。
ギャンブル的な取引を避けるためには、1日のトレードにおける許容損失額を設定する方法が効果的です。損失許容額の範囲内でトレードするよう心がけ、負けが続いたらその日の取引は諦め、翌日にチャレンジするようにする事がおすすめです。
●スキャルピングは経験で上達できる
FXではファンダメンタルズ分析やテクニカル分析の重要性が指摘されますが、短時間で取引を完結するスキャルピングでは、何よりも経験が大切です。ティックチャートや1分足の微妙な動きから相場を先読みできるようになれば、スキャルピングでの成功が期待できます。
最初の頃は無理せず損をしない事を目標に小ロット数から取り組み、少しずつ経験を積むに従ってロット数を増やしていくようにすれば、スキャルピングを上手くマスターできるでしょう。
FXでは取引のチャンスは無限にあるので、少しずつ取り組む事が重要です。